トンボ楽器製作所
- since1917 -

English

株式会社トンボ楽器製作所

  • 複音ハーモニカ テクニカル講座

ヴァイオリン奏法(入門編)

今回はヴァイオリン奏法をご紹介させていただきます。
ハーモニカなのにヴァイオリンのような美しい悲しげな音色を出すことができたら、レパートリーも広がり楽しいですね!
ベース奏法やオクターブ奏法は曲を盛り上げる効果がありますが、このヴァイオリン奏法は、ゆったりとした雰囲気を出すことができる奏法です。
なぜその様な音が出せるかというと、複音ハーモニカは通常1音2枚のリードを使って音を出します。上下の音のピッチが異なるためトレモロ(音の波)が発生し、独特のヴィブラートが出ます。
ヴァイオリン奏法はあえて上のリードのみ使用し、口の形と息の入れ方を変え、右手を前後に動かすことで音の波を付けます。
以下の①~④を工夫する事で、ヴァイオリンに似た音色を出す事が出来ます。


① 口を尖らせて上側1穴をくわえる。
② 口の中を「ユ」の口にして舌を上側に上げる。
③ 息を弱く入れ音を絞る(音程を下げる)
④ 右手のみ前後に動かす。

2枚リードでのベース奏法中心に演奏してきた中、急にこのヴァイオリン奏法で吹くと哀愁を帯びた場面に変化します。
この音色の変化は、複音ハーモニカにしか出せない特徴の一つです。
次回の実践編では、より詳しく吹き方を解説していきたいと思います。

★ハーモニカライフ90号(2020.10)より


高橋早都子 SATOKO TAKAHASHI

間中勘氏の演奏「荒城の月」に感銘を受け小学校一年生か らハーモニカの道に入る。
その後齋藤寿孝氏に師事。
1995年 国際ハーモニカチャンピオンシップス、 複音ハーモニカソロ部門にて史上最年少で優勝。
ハーモニカトリオ「ミネストローネ」の複音、コードハーモニカを担当。
2007年第27回F.I.HJAPANハーモニカコンテスト・アンサンブル小編成部門で優勝。
現在、3児の母。子育てと演奏、指導の両立に奮闘中。
後進の指導やソロ活動も積極的に展開中。