トンボ楽器製作所
- since1917 -

English

株式会社トンボ楽器製作所

メンテナンス
ハーモニカのお手入れ、修理

トンボ楽器
ハーモニカメンテナンス

● 普段のお手入れ方法

吹く前に…

ハーモニカを吹く前にうがいをしてください。
リードに異物が挟まってしまうと音が出なくなる事があります。


吹き終わったら…

吹き終わりましたらハーモニカを吹き口を下にして持ち、上から下に2~3回強く空振りしてください。これにより水気を取り除きハーモニカが長持ちします。
※この時、手で強く叩くとリードに衝撃が伝わり故障の原因となります。

カバーの汚れや口元の汚れを除去するにはホコリの出ない布を水に浸け堅く絞った後、汚れた箇所を拭いてください。次に乾いた布などでもう一度、乾拭きをします。

また弊社ではハーモニカの洗浄、除菌、消臭ができるハーモニカクリーナーを別売にてご用意しています。 こちらを使用されるとより衛生的です。


水洗いについて

樹脂製本体のハーモニカは水洗いすることが可能です。その際はぬるま湯を張っていただき、汚れが浮いてくるまで浸けておき、並行に動かして汚れを落としてください。
※蛇口から出る水を直接吹き口に入れないでください。故障の原因となります。

その後は吹き口を下に向けて陰干しをし、よく乾かしてください。
※ドライヤーの熱風を当てることは避けてください。

木製本体のハーモニカ (No.1521,No1722,No1921,No1921Sなど) は水で洗わないで下さい。
木材が水分を吸収し、本体の変形による故障の原因となります。


注意点

ハーモニカのカバー、プレートなどの部品はすべて金属製です。
分解時、清掃時に部品の端に触れる際は手を痛めないよう十分にご注意ください。

● 音が鳴らない、音程がおかしいと思ったら…

ハーモニカは非常に繊細な楽器です。
何かの拍子で音が鳴らなく事もあります。またハーモニカの特性上鳴りにくい音などもあります。
まずは以下の事を試してみてください。
よくある質問も参照ください。


音が鳴らない(リードが反応しない)

小さな異物がリードとリードプレートに挟まっている可能性があります。
この場合、カバーを外し針の先など細い物で軽くリードを弾いてください。その際、強くリードを弾いてしまうとアゲミが狂ってしまう事がありますので、注意して行ってください。
難しいようでしたら修理にてお送りください。

高い音が出にくい

ハーモニカは構造上、高音になればなるほどリードが短くなるので強い息でないと十分に鳴りません。
腹式呼吸で力強く吹いてみてください。

音程がおかしい、複音のトレモロがずれている

ハーモニカのリード(音源)は消耗品です。
小さく、薄い金属片が息により振動して音が鳴りますので、使用によりリードが金属疲労を起こします。金属疲労が起きたリードは音が下がり調律が狂ってきます。
吹き方や使用頻度にもよりますが、良く使う方は定期的に修理に出される事をおすすめします。
お近くの楽器店にご相談下さい。
※音が狂ってきたとき、そのまま無理に吹き続けるとリードが折れる場合があります。折れたリードが口の中に入ると大変危険です。音程が狂ったと感じた時はサポートへご相談ください。

● リードプレートの交換(10ホールズ)

メジャーボーイの交換用プレート取り付け方法

ハーモニカのリードは消耗品です。使用することにより金属疲労をおこし、音が狂うなどの原因となります。 トンボ楽器では、交換用のリードプレートを販売しています。
リードプレートの交換には次の作業が必要です。

カバーを外す

正しく組み立てる

リードのアゲミを調整する

カバーの取付



※ハーモニカのカバー、プレートなどの部品はすべて金属製です。分解時に部品の端に触れる際は手を痛めないよう十分にご注意ください。
★リードプレートの取り付けは正しいプレートを正しい向きで取り付けることが必要です。


吹音リード


吸音プレートに比べ、ネジ穴が大きく開いています。
吹音プレートは本体の上側に取り付けますので、こちらからネジを差し込んでください。

刻印側が外から見えるように取り付けます。

吸音リード


吹音プレートに比べ、ネジ穴が小さくなります。
この穴はネジ溝が切ってありません。ネジを締める際にネジ自体が溝を切っていく仕組みです。
これにより高い密閉率を保ちます。
吸音プレートは本体の下側に取り付けます。
刻印側が外から見えるように取り付けます。
吹音リードプレートは上側に取り付けます。
リードがプラスティック本体側となります。
吸音リードプレートは下側に取り付けます。
リードが外に出た状態となります。



リードプレートの取り付け手順

取り付け手順 1

ドライバーでハーモニカのカバーを外します。
その際、ナットが一緒に回らない様にナットを指で押さえて下さい。
古くなったリードプレートをドライバーで外します。
この時、樹脂本体をぬるま湯で洗ってきれいにしてください。


取り付け手順 2

プレートと本体を図の様に置くと間違えずに取り付けが可能です。
③は一番下、②は真ん中、①が一番上の順番にそのまま重ねて下さい。




取り付け手順 3

吸音プレートの上に本体を合わせます。




取り付け手順 4

手順3の上に吹音プレートを合わせます。


この状態で上からプレート止めネジで固定します。
再度リードのアゲミを確認し、カバーを取り付けて完成です。

● アゲミの調整

ハーモニカのリードを息で振動させるには「アゲミ」といわれる「リードの反り」が必要です。
販売されている交換用リードプレートは、調律されたリードプレートになります。
但し、このアゲミについては変化しやすいものであり、また演奏者の息の量によっても異なりますので、プレート交換と同時にアゲミの調整もマスターして下さい。

◆アゲミ(上見)について

実際に音が鳴るリードの先端とプレート(台板)の間が少し開いています。
これはリードを少し反らす(先端の開き具合)ことでハーモニカの吹きやすさを良くする為です。
この反り具合、あるいは先端の開き具合を「アゲミ」と呼んでいます。

※リードに反りがなく真直で、リードの先端とプレートとの隙間があいてないとすると、いくら吹いても(空気を送っても)音は鳴りません。

◆アゲミの度合いについて

少なすぎるとリードは詰まり、大きくすると鳴らなくなります。
ご自分の吹き方合わせ、適切なアゲミを見つけてください。
目安(下図参照)としまして、リード一枚分の厚みとすると良いでしょう。

ハーモニカのリードは音によって厚みが異なります。
低音は厚く、高音になると薄くなります。
したがってアゲミに関しても、下図のように低音は大きく、高音は小さくなります。



◆アゲミの調整方法

アゲミの調整はプレートを取り付けたままでも可能です。
アゲミの調整はリードの腰(リードの根元約3分の1程度までの部分)を変化させて行います。
※使用する修理工具はこちらを参照ください。


【上側プレート:吹音用リード】


リードのアゲミ(反り)を大きくする。
ケンの先端でハーモニカの外側からリードを下に押し下げる。

リードのアゲミ(反り)を小さくする。
ケンの先端でハーモニカの中側からリードを上に持ち上げる。


【下側プレート:吸音用リード】


リードのアゲミ(反り)を大きくする。
ヘラの平面部分を差し込み、下からリードを持ち上げる。

リードのアゲミ(反り)を小さくする。
ケンの先端でハーモニカの外側からリードを下に押し下げる。

◆ 資料:ハーモニカの構造と部品

ハーモニカの構造は主にリード、リードプレート、本体、カバーという部品で構成されます。
音源であるリードが振動して音が鳴る仕組みですので、演奏性はリードの材質に左右されます。
リードをリベットでリードプレートにカシメ、それを間仕切りのある本体に固定しています。
共鳴体である本体とカバーの材質や形状でも音色やボリュームが異なります。

◆繊細な部品

ハーモニカのリードは非常に繊細な部品です。
リードプレートに空いている窓と、固定されたリードの隙間は僅かです。
この隙間にホコリや糸くずなどが挟まると、音が出ないなどの原因になります。 またリードはとても薄い金属片です。
この金属片が息により高速で振動します。
従って使用によりリードの根元部分が金属疲労を起こし、調律が狂う場合があります。
消耗部品ですので、調律や交換といったメンテナンスが必要です。

◆ 修理の依頼、部品の購入について

◆修理概要

弊社の修理はオーバーホール(解体、調律、調整、清掃、組立)による機種ごとの定額制となっております。
ハーモニカ修理価格表は以下のPDFファイルをご参照ください。

※修理代金の他に往復の送料をご負担いただきます。

整調者が部品の交換が必要と判断した場合も、この金額で対応させていただいております。
※お客様が部品の交換を指定する場合は、別途部品代を頂戴いたします。


◆修理のご依頼方法(個人のお客様)


①トンボ楽器製作所、埼玉工場への直送。
②東京日暮里ショールームへのお持ち込み。
③お買い求め、またはお近くの販売店へのお持ち込み ※

※販売店スタッフの方へ
お客様からお預かりした修理品は、お取引業者様にお送りください。
弊社工場への直送は受け付けておりませんのでご注意ください。


◆送付先(個人の方)

【送り先】
〒335-0011 埼玉県戸田市下戸田2-12-27
株式会社トンボ楽器製作所 修理係
Tel. 0120-3121-41
※販売店からの直送は受付ておりません。


◆修理期間

状況によりますが、基本的には工場到着後、およそ2週間程度いただいております。
※配送期間は含みません。


◆修理代金のお支払い方法(個人の方)

修理品と一緒に払込用紙(修理代金+送料+税)を同封してお返しいたします。
郵便局かコンビニエンス・ストアにてお支払いいただけます。


◆部品の購入

ハーモニカ部品の購入が可能です。
価格表は以下のPDFファイルをご参照ください。

弊社製品の取扱いがある楽器店にてご注文ください。
お近くに該当する楽器店がない場合は、弊社営業所(ショールーム)へご相談ください。
Tel. 0120-3121-41


トンボnoteハーモニカ・メンテナンス講座

ハーモニカアクセサリー