トンボ楽器製作所
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株式会社トンボ楽器製作所

  • 複音ハーモニカ テクニカル講座

ヴァイオリン奏法(実践編)

恩師であり故間中勘先生の音色は間中トーンと呼ばれ、とても美しく、そしてヴァイオリン奏法も何とも言えない切なく悲しげな響きで、私の憧れでした。
「どうしたらあんな綺麗な音が出せるんだろう…」と、先生の音を何度も聴いて練習しました。
そうする中で色々工夫してきた事、教室での指導で気付いたポイントを今回ご紹介いたします。

① 口を尖らせて上段の1穴をくわえ、口を「ユ」と発音する形状にする。
② 息を弱く入れ、音を絞る(音程を下げる)。ハーモニカを唇に押し当て圧力をかけるとより音が下がりやすい。この状態で音程を保ってロングトーンができれば、手を動かした時、より安定した音が出やすい。
③ ②の状態でハーモニカの右側を少し前に出す(唇からハーモニカが離れないように注意!)この時、唇の圧力が無くなり音程が上がる。
④ 元の位置の戻す。再び唇に圧力がかかり音程が下がる。




③と④を適度な速さで繰り返してください。左側は動かしません。
この音程の違いを交互に出す事で、ヴァイオリンの様な音に近づきます。
一番大切な事は、どんな音を出したいのかイメージを持つ事です。その音に近づく為には、口の形、音量、音程などをどの様にしたらできるのか…。
皆さんも是非ご自身の出したい音をイメージして、楽しく音を創り上げていただけたらと思います。


★ハーモニカライフ91号(2021.01)より


高橋早都子 SATOKO TAKAHASHI

間中勘氏の演奏「荒城の月」に感銘を受け小学校一年生か らハーモニカの道に入る。
その後齋藤寿孝氏に師事。
1995年 国際ハーモニカチャンピオンシップス、 複音ハーモニカソロ部門にて史上最年少で優勝。
ハーモニカトリオ「ミネストローネ」の複音、コードハーモニカを担当。
2007年第27回F.I.HJAPANハーモニカコンテスト・アンサンブル小編成部門で優勝。
現在、3児の母。子育てと演奏、指導の両立に奮闘中。
後進の指導やソロ活動も積極的に展開中。