トンボ楽器製作所
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株式会社トンボ楽器製作所


インターネットメディアの可能性

『TOMBO祭 - 後夜祭』

改めまして、この度はトンボ楽器製作所主催のオンラインフェス『TOMBO祭2023』にご参加ならびにご訪問いただき、ありがとうございました。
初の試みということで、準備を含めおよそ半年という期間をいただきました。
始まる前のイメージと終わった後の感想の間にはどんな“差異”が生じているのか、気になるところでもあります。
公開掲示板として設置した『あしあと帳』やプレゼント抽選付『アンケート』の結果などを拝見すると、なんとなくですが、このフェスが皆さんにとってどんなものであったか推し量ることができそうです。

この『TOMBO祭 -後夜祭-』では、皆さんからいただきました“声”をご紹介した後、マーケティング部課長の長井とTFC-On-Line担当の私、はらよしによる座談会という形式で、TOMBO祭2023を振り返ってみたいと思います。
よろしければお付き合いくださいませ。


皆さんからの“声”

まず、『あしあと帳』に書き込みをして下さった皆さん、ありがとうございました。
公開掲示板ですので、書き込みには少なからず抵抗がある方もいらっしゃったかと思います。
書き込まれた内容は、コンテストやライブ配信、プレイヤーブース出展者や彼らのファンの方などから感想でした。
発信する側と受け取る側、どちらも楽しめることが重要だと思っていますが、書かれた内容から、ある程度達成できたように思います。
とはいえ、初回なので比較対象がありません。
そういう意味で次回はプレッシャーが掛かります。

次に『アンケート』でいただいたご意見からいくつかご紹介したいと思います。

『ハーモニカとアコーディオンの共通の賞や、ホルダーハーモニカ部門などがあれば面白そうです。』

『(コンテストの)アコーディオン部門の賞品のバリエーションが増えていたらさらに嬉しいなと思います。』

そうですね、『賞』についてはコンテストに限らず、どのような規模でどんな賞品をご用意できるか思案中でございます。

  • 10秒間で鷲づかみ杯


  • ハーモニカ・アコーディオンフォトコンテスト

『個人的には楽器に興味が無かったのですが、配信で拝見しとても楽しめました。』

これはVtuberさんのライブ配信をご覧になった方からですが、そういう機会がもっと増えるようしたいと思える感想でした。
せっかくTOMBO祭という面白いコンテンツがあっても、届けられなければ意味がないですから、SNSだけでなくライブ配信なども使用した発信についても考えていきたいと思っています。

  • TOMBO祭2023ライブ配信館



『私はアコーディオンを弾いているのですが、ハーモニカのコンテンツにも沢山触れる事ができ、自分も弾いてみたいな、という気持ちになりました。』

ハーモニカとアコーディオンは同じリード楽器、ということでTOMBO祭では二分せずに扱っています。ハーモニカもタイプが多いので、こういったイベントを通し、知る機会に繋がればと思っています。
プレイヤーが増えればその音楽を聴く人も増えますので、少しずつでも認知が広がり、楽器を手に取る人が増えていって欲しいですね。

  • TOMBO祭2023ハーモニカ特区


  • TOMBO祭2023アコーディオン自治区

『公式アーティストの方々がたくさんで、お話・メッセージを読むのが面白かったです。
このようなアーティストの方々は、目標だったり・憧れだったりしますよね。続けていくモチベーションになります。』

公式アーティストページでは音楽雑誌のインタビュー記事をイメージして内容を考えました。
そのアーティストについて知りたいことをできるだけ提示し、新たな一面の発見やご自身の目標達成へのモチベーションアップに繋げて欲しいと思っていましたので、嬉しい感想でした。
特にQ&Aの回答などはアーティストの個性が感じられ、収穫も多かったのではないでしょうか。

  • TOMBO祭2023公式アーティスト


  • TOMBO祭2023公式アーティスト


  • TOMBO祭2023公式アーティスト


『プレイヤーブースがもっと盛り上がるといいですね。「プレイヤー=”演奏活動”を”積極的に”している人」のイメージが強いので、参加を尻込みされる方も多いのでは?』

やはりプレイヤーブースの参加者がもう少し欲しかった、と私も感じています。そしてご指摘の通り、プレイヤーという言葉が持つイメージによって自分は対象者ではない、と判断されてしまった方もいらっしゃるかもしれません。
先の『賞』との関連性も深め、リニューアルしたいと考えております。

  • TOMBO祭2023プレイヤーブース


  • TOMBO祭2023プレイヤーブース

では次に、TOMBO祭の企画を推進してきた弊社マーケティング部課長の長井と、トンボ楽器のオンラインコミュニティといえばTFC-On-Line、その担当をさせていただいております私、はらよしによる座談会(風)反省会といいましょうか、質疑応答をお届けします。



長井 × はらよし 座談会



はらよし:

TOMBO祭、始まる前と終わった後、それぞれ考えたことや感想などお聞かせください。

長井:

<始まる前>
何もない状態からの企画でしたから、始まる前はまず、「はらよし」の頭の中にあるバーチャルの空間をイメージして自分の中で階層化する作業からでした。
そしてこの空間をどう皆さんに事前に魅力的に伝えられるかが、多くの方に参加していただく大きなポイントであり課題でした。
TOMBO祭は双方向型コミュニケーションの場ですから、特に参加型コンテンツは参加者のボリュームによって企画自体が不発に終わることも...最初はそんな不安からのスタートだったと思います。
誰に何を届けるかが重要ですが、私の中では、これまでにコンテストなどに参加いただいた方、現在のSNSのフォロワーさん含め、祭をやるからにはよりさらに広いターゲットに訴求したいと思っていました。
祭の中で見えるアクティブユーザー以外にも、ハーモニカ、アコーディオンユーザーはもちろん、その他の楽器プレイヤーや音楽・楽器全般に興味がある方に少しでも見ていただけたら良いなと。
トンボ楽器発信のコンテンツはそのあたりを意識して構成していこうと考えていました。

<終わった後>
まずは、祭の準備期間中からご協力をいただきました多くのアーティスト様やプレイヤー様に感謝申し上げます。
アーティストブースのご相談、プレイヤーインタビューの依頼を行なう段階では、具体的に説明できる概要があまり無い状態でしたから、このコンテンツは本当皆さんと一緒に作り上げてもらったと思っています。
終わった後の感想としては、不安でもあったプレイヤーブース出展、動画コンテスト、フォトコンテストといった参加型コンテンツの方も皆様のおかげで多種多様で魅力ある作品が集まりましたし、ライブ配信を行なっていただけるプレイヤーの参加もあり、祭全体として盛り上がりのあったTOMBO祭になったと思います。
何より、プレイヤー同士がこの祭で知り合ってSNSなどでやりとりが行われているのは良かったですね。

はらよし:

『トンボ楽器製作所』エリアの『インターネットメディアの可能性』において、ハーモニカプレイヤー3名にインタビューをされましたが、それについてピックアップした経緯など、お話を伺いたいと思います。
また、次回の構想についてもお聞かせください。

長井:

Colly Yuasaさん、ohiri123さん、だいちゃんぐ。さん。
私はハーモニカ部門からピックアップしました。この3人は以前からお話をしたかったので私にとっては良いきっかけになりましたね。
今回はInstagramのDMから唐突にインタビューの依頼をした方もいますので……自分結構怪しい人だったかもしれません。
それぞれのプレイヤーはYouTubeで「ハーモニカ」と検索してヒットするという点では同じですが、音楽・楽器との出会い、音楽性、ハーモニカとの向き合い方、YouTubeを含めたSNSの開始時期も動画内容も異なります。
その過程を記事にして今後YouTubeなどでの活動を検討している方に参考にして欲しいと思ったんです。
TOMBO祭が無かったとしても、この3名とはコンタクトをとりたいと思っていました。
メーカー発信の情報より、プレイヤーの発信の情報はよりリアルなので、普段からYouTubeなどで動画を公開している方と弊社が関わりを持つことで、お互いを窓口にして、できるだけ多くの方に色んなスタイルの「ハーモニカ」に興味を持っていただけたらという思いでした。
それぞれの方の背景や個性が見えたと思いますので、皆さんもより親近感をもって各チャンネルをお楽しみいただきたいですね。
今後もさらに様々なスタイルの方をピックアップしてインタビューできたらと思います。

はらよし:

トンボ楽器の公式Facebook、X、InstagramといったメジャーなSNSで積極的に各ページを PR されていましたが、どんな手ごたえを感じましたか?

長井:

TOMBO祭はホームページ内にありますので、普段からホームページにダイレクトに訪問していただける方だけではアクセス数増加は基本的に見込めません。
従ってSNSからの誘導は必須なのですが、TOMBO祭には期間があり、その期間内に間隔をあけて投稿すると全ての記事、プレイヤーを紹介しきれません。
これは正直迷いがありましたが……「とりあえず連日投稿する」ということにしました(笑)
特にFacebookページのフォロワーさんは最近トンボ楽器の投稿多いわ……と思われたかもしれません。
Facebook、X(@tombo_info)、は随時投稿、Instagramはトピックをストーリーズとリールで投稿しました。
ホームページのアクセス解析としては期間中トータルで通常時の約1.5倍のアクセスがありました。ご訪問いただきました方々には本当に感謝しております。
アクセスのリンク元はFacebook、X、Instagramからフォロワー様を中心とした方の訪問が大多数ですので、ここはやはり最初の目標でもあった「さらに広いターゲットに訴求」という課題は残っていると考えています。

はらよし:

次回の TOMBO 祭でやってみたいと思っていることはあれはばお聞かせください。

長井:

課題としてまずはこの祭をより多くの方に知っていただき、身近に感じて欲しいと思っています。
前の質問でも触れましたが、普段からSNSで積極的に情報発信、または取得している方、その関係者の方までの発信にはある程度手ごたえを感じましたので、その先へのアプローチを考えなければと。
コンテンツに関しては、具体的な内容はこれからですが、ハーモニカ・アコーディオン愛好家はもちろん、楽器やジャンルを超えて、音楽好き、他の楽器の愛好者や、バンドなど様々な方が見て楽しんで、できれば参加できる祭にしたいと思います。
そういう意味で間口を広げ、敷居を低くした「何か」を考えていきたいと思っています。
個人的に私はベースをメインにギター、鍵盤なども弾くのですが、もし各メーカーがオンラインイベントを行なっていたとして、その情報を知り得たなら見に行くと思います。
そこにメーカー発信のコンテンツや、プロ・アマ問わず様々なスタイルのプレイヤーの情報、愛好者発信の動画コンテンツなどがあれば、単純に楽しめると思っています。
ただ参加するとなると少しハードルが高く感じることもあると思いますので、気軽に参加できるコンテンツとは「何か?」を皆さんと共に模索しながら一緒につくりあげていきたいと思いますので今後とも応援していただけましたら幸いです。

はらよし:

ありがとうございました。
TOMBO祭は始まったばかりですからね。これから作り上げて行きたいですね。
では今度は私が回答をする番です。長井さん、お願いします。

長井:

承知しました。それではまずこのTOMBO祭は初の試みでしたが、成功したと感じますか?

はらよし:

正直まだわかりませんが、どのコンテンツも楽しめるものになっていたのは確かだと思います。
それをどのような人が見てくれたのか、そしてハーモニカやアコーディオンに興味を持っていただけたのか、既にこれらの楽器を持っている方は新しい知識や表現方法などを学ぶ機会になったのか、その辺りが気になるところです。
賑やかで楽しいエンタメであると同時に気づき、学びの機会にもなれば、今後更にこの世界は面白くなりますからね。
中々目に見える部分ではありませんが、次回の参加者や訪問者数と比較することで、それはある程度分かるのではないかと思います。

長井:

TFC-On-Lineの担当でもある、はらよしさんは、オンラインならではのコミュニケーションに注目されていたと思いますが、TOMBO祭ではどんなところでそれを感じることができましたか?

はらよし:

オンラインの醍醐味は双方向性にあると思います。
情報の発信はオンラインでなくても可能ですが、反応がダイレクトに見えたり、SNSを通した直接、もしくは間接的にレスポンスを送ることができるのは、オンラインならではの機能だと思います。
コンテスト動画の再生や高評価はさりげなくプレイヤーの応援に繋がっていますし、ライブ配信ではコメントを入れたり、それに対して配信者が反応する、というコミュニケーションが楽しいですよね。
オンライン上のコミュニケーションに慣れてない方は、ダイレクトに対象者へアクセスすることはハードルが高いと思うかもしれませんが、そういう方のために『あしあと帳』を用意しました。名前も匿名でOKですから、まずはここに思ったことを気軽に書くことから始めてもいいと思います。
この『あしあと帳』も、そういう意味でとてもシンプルな、スレッド形式ではないタイプにあえてしました。
また、公式アーティストブースやプレイヤーブースで興味を持った方のSNSをフォローしたり、コメントや投稿のリポストなどに繋がればよいと思っていますし、実際にそういったこともありました。
表現者にとってはたった一つのコメントやいいね、リポストでもすごく嬉しいと思いますし、励みになるものです。

長井:

反省点や今後の課題、展望などお聞かせください。

はらよし:

TOMBO祭には理想があります。しかしそれは一足飛びに実現できることではないと思いますので、一歩ずつでも前に進めていきたいですね。
反省点としては準備室段階での告知が十分ではなかったことです。今回は主にnoteとSNSで告知をしていましたが、イベント概要の解説動画も作った方が良かったかもしれません。
初回なので前例がなく、本サイトも公開できない状況でしたので、イベント全体のイメージを伝えることがとても難しいと感じました。
次回は今回の実績がありますので、それを活用して発信したいと思います。
課題は何を変更し何を追加するか、であり、それをしっかりユーザーに伝え、参加者を増やすことだと思います。
『TOMBO祭』は準備段階からワクワクできるイベントにしたいと思っています。開催は今のところ年1回の予定ですが、半年くらいは何かしら楽しそうなことが起こっている、そんなイベントとして認知されるようになればいいと思っています。
そのためにはユーザーがコンテンツに“参加する“ことが重要になると思います。
参加するとなると準備が必要になりますから、彼らにとっては参加を決めた時からお祭りが始まるわけです。
その成果を発表するのが本祭という位置づけです。
本祭はもっといろいろな人たちに来ていただき、ハーモニカとアコーディオンを通して音楽や楽器の楽しさに触れていただくこと、そしてプレイヤーや愛好家たちと緩くても繋がることが理想です。

長井:

次回開催について公開可能な情報、また抱負などあればお聞かせください。

はらよし:

初回が終わったばかりなのでもちろん何も決まったことはありませんが、既に改善したいことや新たに挑戦したいことなど思考を巡らしています。
その一つにコンテストがあります。
今回はTFC-On-Lineというトンボ楽器のオンラインコミュニティで既に実績のあるコンテストを、そのままTOMBO祭のエリアに組み込みましたが、やはりTOMBO祭として独立した賞があると、楽しみ方が広がるのではと考えています。
その意味で『10秒間で鷲づかみ!杯』もまたそれに合わせた変化が必要になるかもしれません。
コンテストというのは勝者、敗者のイメージがありますが、『10秒間で鷲づかみ!杯』は「優劣を競う」というよりも「可能性を提示する」ことを重視しています。なので、コンテストというよりはコンペティションなんですよね。
自分を表現する道具としての楽器、それを色々な形で紹介する場が『プレイヤーブース』になると楽しいだろう、と私は思っています。 言うなれば、プレイヤーブースはハーモニカ、アコーディオンの『万国博覧会』です。
そして優れたブースの展示やパフォーマーには賞を授与したいですし、それは必ずしも動画や写真である必要もないと思います。
そんなことをあれこれと考えています。
『10秒間で鷲づかみ!杯』も今の形になるまでに何度か変更がありました。
4回目からグランプリを廃止しましたが、総合1位を決めるよりも、オンリーワンを見つける『展示会』にしたいという思いがありました。 TOMBO祭も試行錯誤し、始めに思い描いた理想から脱線せず、より楽しくなるよう
考えていきたいと思います。

長井:

楽しいイベントにする、というのが簡単そうで難しいところですが、企画側も参加者も訪問者も、皆が楽しいと感じるイベントに育てていきたいですね。

はらよし:

そうですね。また次回もよろしくお願いします。