トンボ楽器製作所
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株式会社トンボ楽器製作所

アコーディオンの種類

アコーディオンは右手でメロディ、左手で伴奏というスタイルが一般的です。
メロディを奏でる手段としてはピアノと同じ鍵盤タイプの他に、ボタンタイプがございます。
左側はどちらもボタンになりますが、ボタンタイプのボタンとは異なります。
ここではアコーディオンの仕様に関する簡単な解説を行いたいと思います。



①鍵盤式とボタン式

鍵盤式はピアノ式と呼ばれる通り、ピアノ経験者は抵抗なく始めることができるでしょう。
ボタン式はピアノの白鍵と黒鍵のように大きさが異なるボタンはありません。
どれも均一の大きさのボタンですので、ピアノに慣れていない方はこちらの方が覚えやすいと思うかたもいらっしゃいます。
ボタン配列に向いてるフレーズはありますが、鍵盤とボタンでアコーディオンとしての優劣はありません。
ボタン式の音配列やベースボタンの配列についてはそれぞれ独立した項目がありますので、そちらを参照ください。

アコーディオン




②スイッチと笛室

アコーディオンはピアノのように88鍵盤はございません。
その代わりにスイッチがついており、音色を選択することが可能です。
このスイッチはメロディにもベースにもございます。
もちろん、機種によってその数やバリエーションは異なります。
アコーディオンのスペックで重要な項目を確認しましょう。

例:GT-60B
◆ 34鍵(MML3列笛)
◆ 60ベース(4列笛)
◆ スイッチ:メロ/5 ※ベーススイッチは無し

アコーディオンのスイッチ

鍵盤とベースの数の横には『笛室』の数が記載されており、メロディの方には『MML』のように笛の種類を示すアルファベットも記載されています。
MはMidium(ミディアム)のM、LはLow(ロー)のLで、それぞれ中音域、低音域を意味します。
他にH(ハイ High 高音域)が入っている機種もございます。

笛室

笛室



Mを1つ鳴らすことも2つ鳴らすことも可能ですし、MとLで1オクターブ違いの音を一つの鍵盤で鳴らすことも可能です。
その音色の組み合わせの数だけスイッチがあります。(操作性を考慮し重複するスイッチもございます)

ベースの笛数は、コードの種類に関係しています。
ベースボタンは単音のベース以外にメジャー、マイナー、セブンスの各コードがボタン一つで出せるようになっています。
4列笛であればセブンスまで、5列笛はディミニッシュまで出せるということになります。





③チャンバー

高級機種になるとチャンバー(chamber)という項目が入っていることがあります。
イタリア語ではカソット(Cassotto)とよばれていますが、音が外に出る間にある部屋(箱)のことを指します。
ここを経由することでより暖かみのある音になるのです。

HMMLの機種にMLチャンバー、と書かれていれば、Mの一つとLはチャンバーを通った音が出ることを意味します。
曲によってチャンバーサウンドが欲しい、と思うこともあるでしょう。
しかし、中の部品が増えればその分重量が増すのはアコーディオンの宿命ですね。




④フリーベース

ベースボタンは通常、蛇腹側から2列が対位ベースという単音、そして外側にメジャー、マイナー、セブンス、ディミニッシュと並んでおり、スタンダードベースと呼ばれます。
これに対しフリーベースは、ベースボタンでメロディを奏でられるようにしたもので、コードボタンで単音を出せるようになったものです。
配列にはマイナーサードシステム、クイントシステムなどいくつかございます。
また、コンバーターシステムであれば、スタンダードベースとフリーベースを切り替えることが可能です。




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