トンボ楽器製作所
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株式会社トンボ楽器製作所


インターネットメディアの可能性


『TOMBO祭2024 - 後夜祭』
長井 × はらよし 座談会

はらよし:

改めまして、この度はトンボ楽器製作所主催のオンラインフェス『TOMBO祭2024』にご参加ならびにご訪問いただいた皆様、誠にありがとうございました。
今回2回目ということで、前回とは大幅に変更した部分もございました。
その是非も含め、前回同様に長井(トンボ楽器マーケティング部課長)と私、 はらよし(TOMBO祭実行委員長)で振り返りトークを行いました。
かなりボリュームのある対談となりましたが、それだけ多くの収穫と課題があったと言えるのではないでしょうか。
少々長い記事となりますが、お付き合いいただければ幸いでございます。

それでは早速、対談を進めていきたいと思います。

TOMBO祭も2回目ということで前回できなかったことや改善した方が良かったことなどを盛り込んだ結果、賑やかなイベントになったと感じています。
長井さん、いかがでしょうか。

長井:

まずは、TOMBO祭2024にご協力・ご参加をいただきました多くのアーティスト様やプレイヤー様に感謝申し上げます。
TOMBO祭1回目の反省点も踏まえて、今回はさらに広いターゲットに訴求するというのが目標だったと思います。
ハーモニカ、アコーディオンユーザーの参加はもちろん、その他それぞれの音楽・生活スタイルの中でのハーモニカ・アコーディオンの存在感や空気感みたいなものを様々な形で表現してもらえたら良いなと。
それによってふらっと立ち寄った方も楽しみ、共感や発見をしたり、そして少しでもこの楽器たちの魅力に触れていただけたら。そんな祭を理想として2回目に挑んだと思います。
トンボ楽器発信のコンテンツも色々なきっかけでこの楽器を知り、向き合い、そしてどんな活動や手段を通して魅力を発信しているのか。
そんな方々にインタビューさせていただきました。ありがとうございました。

これは社内的なことですが反省として今後意識したいことは祭のサイト構成についてでしょうか。
盛りだくさんにしたが故に結果的に複雑でわかりづらくなったことです。
コンテンツ名や導線設計なども次回の課題にして検討したいですね。

はらよし:

そうですね。課題についてはまた後ほど掘り下げたいと思います。
まずは今回ハーモニカエリアの公式アーティストブースに、千葉智寿さんと吉永幸一さんが新たに加わりましたが、お二方を知らない方もいると思います。
トンボとの付き合いも含めてこの場で簡単にご説明いただけますでしょうか。

長井:

千葉智寿さんは札幌在住のハーモニカ・プレイヤーでトンボ楽器として古くからお世話なっております。個人的にも私がこの業界に入って最初の札幌出張から長くお付き合いをさせていただいております。
北海道の空気感というか千葉さんならではの音色が魅力的で、最近では5枚目の新譜「心の季節/The Seasons of My heart」をリリースされました。
弊社のリニューアルしたメジャーボーイ入門セット1710CVのレッスン動画にもご出演いただいています。

吉永幸一さんは弊社先先代の営業部長の頃からサポートさせていただき長いお付き合いになります。
サポートを私に引き継ぎ、実は年代が近かったのでお話したところ、私が高校生の頃のバンド仲間に共通の友人がいてさらに親近感が湧きました。
魅力的なハスキーボイスでシンガーソングライターとして活動される他、舞台役者、映画・TVCMナレーターとしても活躍中。
また新宿歌舞伎町にてライブバー「Bar aLive」も経営し若手アマチュアからプロミュージシャンにライブの門を開いていらっしゃいます。

はらよし:

ありがとうございます。意外な接点もあったんですね。
この公式アーティストブース、前回は動画の埋め込みはなかったんですが、今回追加しました。本人がPRしたい動画なのでやはり見応えがあります。
動画博物館エリアでもご覧いただけるので、是非観て欲しいですね。一線で活躍するアーティストから学べることは絶対にあると思います。

長井:

そうですね。
プレイヤー一覧などは他サイトでも掲載されていると思いますが、各アーティストのルーツやスタイル・活動、機材などまで一気に見られるのはこのコーナーの良さだと思います。
特に今回は動画の埋め込みを追加したことで、アーティストの表現したいこと、演奏スタイルや音色、表現方法まで実際に動画で体感できるのは見応えがあると思います。
私もここからご本人のYouTubeチャンネルに飛んで一気に視聴しましたが、今まで見逃していた動画もチェックできました。
改めて十人十色だなーと感心しながら。

はらよし:

全てを見ようと思うと結構時間も掛かりますが、祭りは2ヵ月という期間を用意していますので、そういったことも可能なのかなと思います。
次に、プレイヤーブースですが、新しいところでハーモニカVTuberが2名、そして大学のハーモニカソサイエティという団体としての登録がありました。
VTuberという最新のテクノロジーが日々試される場で、ハーモニカというアナログ楽器の存在感を感じることができました。
今後の展開が楽しみです。
ハーモニカソサイエティ、通称“ハモソ“とは、トンボとしても古くからお付き合いがあります。
今回TOMBO祭にブースを出展したことについて、どうお考えですか?

長井:

ハーモニカソサイエティ、通称“ハモソ“は関東では早稲田大学、立教大学、明治大学、中央大学が4大ハモソとしてジョイントコンサートなども行っており活動が盛んです。
各大学の定期演奏会もそれぞれ特色があって魅力的ですよね。
ハーモニカ・メーカーとしてもハモソの活動を陰ながら定期演奏会の協賛などで応援していすが、本当はもっと色々な関わり合いを持ちたいと思っていました。
ただ現役の学生は1年で代替わりしてしまうので、具体的な話を継続的に進めていくのはなかなか難しいんです。
今回中央大学のハモソ出身の方々が参加していただけたのは大きな収穫でした。
ある意味このTOMBO祭を活動報告の場として活用していただいても良い訳ですよね。
ぜひ今後も参加していただきたいと思いますし、OG&OB会の方々のお声がけで現役のハモソにも参加していただけることを期待しています。

はらよし:

ハーモニカに比べ、アコーディオンのプレイヤーブース出展者は入れ替わりが激しい感じがします。
マイペースで趣味として楽しむ方からバンドやイベントで活躍するプレイヤー、そしてハイレベルなオリジナル曲を披露する学生さんまで幅広く、改めて色々な楽しみ方がある楽器だと感じましたが、やはりもっと参加者を増やしたいですね。
また、新エリア、トンボ村役場ですが、ここはプレイヤーブースに出展するには気おくれしてしまう人のために作った、もう一つのプロフィール表示スペースです。
TOMBO祭の楽しみ方マニュアルもありますが、より気軽に参加を、というところが主目的でした。
結果として4名がトンボ村入村登録を行いました。
個人的にはやはり参加者は一つのエリアに集まって欲しいと感じました。
ここは次回何かしらの改善を行おうと思っています。
長井さんはどう感じましたか?

長井:

ハーモニカ・アコーディオン共に、TOMBO祭アワードのミッションへの挑戦はプレイヤーブースへのエントリー、またはトンボ村入村登録が必要という条件になっていますが、ここまで自分で言葉にしても、アワード、ミッション、プレイヤーブース・エントリー、トンボ村入村登録...?と私もすでにこんがらがります。
元々がやはり参加者の間口や数を増やすことが一つの目標でもあるので、ブース出展と、ミッション参加は切り離して考えても良いのではないでしょうか。
アコーディオンに関してはご自身のSNSでの発信者は多いと思うので、それをTOMBO祭のミッションに合わせて投下していただけるような簡単なシステムにしても良いのかもしれません。

はらよし:

そうですね……この辺りはしっかり吟味していきたいと思います。
では次に行きましょう。
今回の目玉、TOMBO祭アワードです。
こちらももっと気軽に参加を、という思いから考案した企画です。
テクニックや表現力を競うコンテストも楽しいですが、楽器の使い方、楽しみ方はもっと多様なはずで、それを多くの方に伝えたいですからね。
そしてたくさんのミッションという形でお題を出しましたが、当初の予想を上回るエントリーがあり、嬉しくもありホッとしたのも事実です。
ではまず、TOMBO祭アワードのシステムについて、今回の結果を踏まえて長井さんはどのように感じたか、お聞かせください。

長井:

沢山のエントリーをいただけたことは大変嬉しく思います。
ありがとうございました。
個人的には特に演奏系が楽しみでした。
先程も言いましたが、やはりそれぞれの音楽スタイルの中でこの楽器の魅力を表現してもらえたら...と思っていましたので。
結果としても演奏系を中心にしてご参加いただけるカテゴリーが概ね見えてきていると思います。
次回はカテゴリーを絞るか、またはそれぞれのカテゴリー内のミッションに関してはミッション例を提示して、そのカテゴリー内で自由にタイトルをつけてエントリーしていただくなど、選択肢を減らすことも参加者(特に初参加の方)には優しいのかな...とも思いますね。

はらよし:

なるほど。その辺りも詰めていきましょう!
では次に受賞者や作品に触れていきましょう。
まずはグランプリと準グランプリについて補足ですが、TOMBO祭アワードのグランプリは作品に与えられるのではなく、フェスバリューという 栄えある初代グランプリを獲得したのは、缶がえるさんでした。
古参のTFC-On-Line会員で、『10秒間で鷲づかみ杯』からも積極的に作品をエントリーいただいていました。
YouTube動画以外にもブログやインスタグラムでも積極的に発信をされている方ですので、TOMBO祭アワードでも想像通りの活躍をされた、というのが私の印象でした。彼の作品からはハーモニカ愛が滲み出ていますし、ハーモニカの魅力を知って欲しい、という熱いハートも感じます。
メーカーとしてはとても嬉しいですよね。
ちなみに缶がえるさんは演奏系6作品、文芸系3作品、フォト系6作品、10秒間で鷲づかみ杯が3作品でした。

長井:

缶がえるさんは多くのカテゴリーに参加して「祭」を盛り上げていただきました。
演奏系ではちょっと一緒に吹いてみたくなるような皆さんが良く知っている曲を取り上げていただいているのが良かったです。
Instagramも良く拝見しておりますが最近生成AIを活用した投稿が面白いですよね。
私もやってみましたが、ハーモニカを吹くシーンではどうしても吹き口が外を向いてしまうのは「あるある」なのかもしれません(笑)文芸系も記事らしく仕上げているので面白く読ませていただきました。
ありがとうございました。

はらよし:

楽器と他の趣味や才能を活かせる、それもTOMBO祭アワードの面白いところだと思います。
次は準グランプリを獲得したハーモニカVTuberの紫吹まゆさんですが、トンボ楽器製作所エリアのインタビュー記事にもご協力いただきました。
前回もプレイヤーブースに出展いただきましたが、そこから1年で飛躍的にチャンネル登録者数を伸ばしたプレイヤーでもあります。
そして今回はTOMBO祭アワードにも積極的に参加していただき、オリジナル曲から機材紹介まで幅広い作品をエントリーしていただきました。
エントリー数は、演奏系3作品、文芸系1作品、フォト系1作品、VR系3作品、オリジナル系1作品、ライブ配信が2回という結果でした。
5カテゴリーのエントリーなので、コンプリートボーナスも加算されました。あと、カテゴリーでVRが使えるのが大きいですね。
そして配信もお手の物なので、この辺りでフェスバリューを伸ばしたと思います。 お手の物、と言ってしまいましたが、サクッとフェスバリューを稼ぐために、というのではなく、とても充実した配信内容で2回とも3時間弱くらいされていました。
そして缶がえるさん同様、ハーモニカへの愛が詰まった、メーカー冥利に尽きる配信でした。

長井:

いやいや本当に。それぞれの作品にかかる時間や内容を考えるとこれはもう「愛」だなと。
TOMBO祭を紹介するライブ配信はありがたい企画です。
紫吹さんのファンの方にTOMBO祭を知っていただけるのは大変嬉しいですよね。
オリジナル系の「配信環境・機材・ルームツアー」も面白かったです。
興味がある方には非常に参考になりますよね。
同じ機材使っていたら「そうそう!」みたいな共感もありますし。前回(TOMBO祭2023)「だいちゃんぐ。」さんへのインタビューでも制作環境についてお伺いしたこともありますが、コンテンツが充実していると制作環境や取り組み方みたいなものはやっぱり気になります。
VRはまだ参加者も少ないので、良いお手本として目標にする方が増えてくるのではと楽しみにしています。
ありがとうございました。

Part2へ続く……



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